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流出品カードとは?偽物だけど本物?

遊戯王 流出品とは?

流出品とは?

本来、大会優勝賞品などのプロモカードにはそれぞれ公式発行枚数が決められており世界に数枚しか存在しない超希少カードも存在します。

青眼の究極竜 本物 発行枚数2枚

出典: 遊☆戯☆王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ マスターガイド1 世界に2枚しか存在しない青眼の究極竜

しかし、実際には世界に数枚しか存在しないはずのカードが過去オークションに複数回出品される事はそれほど珍しい事ではありませんでした。

購入した人がさらにオークションに出品したとしたなら一応辻褄があいますが、明らかに公式の発行枚数を超えてカードが存在しているという違和感を当時の人間ははっきりと感じとっていました。

第2回全国大会入賞カードがなぜ複数存在するのか?

1つ例を出すと、2000年3月19日に開催された第二回全国大会の入賞カードの3枚です

優勝賞品
T2-01 闇道化師と化したマサヒロ

準優勝賞品
T2-02 髑髏の司祭ヤスシ

第3位賞品
T2-03 山岳の闘士トモヒロ

第2回全国大会賞品 闇道化師と化したマサヒロ、髑髏の司祭ヤスシ、山岳の闘士トモヒロ

出典: 香港在住コレクター・Ray Chan氏『遊戯王カード』コレクション

それぞれ入賞者の下の名前からとったカード名となっており、似顔絵も本人の特徴を掴んでイラスト化され、入賞者にとっては思い出深いカードになっているはずだが、こちらのそれぞれ世界に1枚しか存在しないカード達は今まで何度もオークションやショップなどで販売されています。

髑髏の司祭ヤスシは2枚ある?

出典:【遊戯王】髑髏の司祭ヤスシは、2枚ある?

2008年には準優勝商品の髑髏の司祭ヤスシがオークションに異なる出品者から同時期に2枚出品されており、どちらかが偽物なのではないかと物議をよんだ。

まんだらけ 3枚セット

出典: 遊戯王 山岳の闘志トモヒロ 髑髏の司祭ヤスシ 闇道化師と化したマサヒロをご紹介!

その後、2010年になると、中野のまんだらけで1位~3位までの商品全てがセットになって販売されていた(3枚とも傷有のためオークションのものとは別物)世界に1枚しか存在しないカード3枚全てが同じショップに集まる事など現実的には到底考えられないはず。ではなぜ、それぞれ世界に1枚しか存在しないはずのカードが複数存在するのか?

考えられる可能性・・・ どちらかのカードが偽物である

本物そっくりに作られた、いわゆるオリカ。今では印刷技術は当時から比べて格段に進化しており、作ろうと思えば精巧な偽物を作り出す事も可能なのかもしれない。しかし、どんなに精巧に作っても本物と見比べれば、その差異は一目瞭然だろうし見る人が見れば、オリカと本物を見破るのは簡単なことである。

しかし、このカード達は見比べても差異はほとんど感じられず、どうみてもどちらも本物のように見えてしまうから判断に困ります。結論から言うと、この2枚はどちらも本物である可能性が高い(そうカード自体は)そんなのおかしいだろうと言う声ももちろん理解できる。

第2回全国 T2-03 山岳の闘士トモヒロ 本物 盾付き

出典: 2019年に100万円で落札された クリスタルの盾付き本物の T2-03 山岳の闘士トモヒロ

オリジナルの正真正銘の本物は、渡される際にコナミから送られてきた封筒書類や盾なども同時に送られているだろうから、それとセットでの販売であれば本物である証明になるだろう。しかし、これらの流出品には賞状などの付属品はついておらずカードのみである、なぜならオリジナルのモノではないからだ。

ゲームラボ2001年12月号 流出の経緯

出典; ゲームラボ2001年12月号 第3位賞品トモヒロ(ライオン)さんがリーダーを務める獅子組ブリさんへのインタビュー (youtubeのコメントで情報教えて頂きました)

こちらのインタビューによると、2001年の段階でこれらの世界に1枚のはずの全国大会プロモカードがすでに数十枚は流出していたみたいです。これについてトモヒロさんがコナミに問い合わせると印刷屋の管理がずさんでカードが流出したとの返答があり、その印刷会社との契約を中止するのでご了承くださいとの回答があったらしい。なので第2回全国大会のプロモカードは3種それぞれ数十枚の流出品が存在する可能性がありそうだ。

秘蔵レアのカードはどこから?

2018年に発売された秘蔵レアという商品を覚えているだろうか?スターターデッキ2018に付属するおまけカードに超低確率で過去に配布された秘蔵レア限定カードが出現するというサプライズ商品

秘蔵レア 封入率

出典:秘蔵レア封入率 公式サイト

これには現在1枚100万円を越える女剣士カナンやシクブルなども封入されるということから秘蔵レア目当てに大量購入する人が続出。

結果大爆死する人も多かったが、もしかしたら1000円の箱から100万円のカードが出るかもしれないという宝くじ感覚での購入が相次ぎ、好評を博した商品である。

秘蔵レア 説明文

出典: スターターデッキ2018 公式商品情報

公式サイトの秘蔵レアの説明文には※「秘蔵レアカード」は、当時生産されたカードを封入しています。製造から年数が経過しており、ダメージがある場合があります。とあり、この企画に向けて新しく印刷したモノではなく、コナミが20年近くにわたって保管していたモノを封入しているとの記載がある。

10000種突破記念イベント

出典: 遊戯王OCGカード10000種突破を記念して、10000種全カードの展示イベント

2019年にはOCGカード10000種突破を記念して、10000種全カードの展示イベントを開催された際にも世界に2枚しか存在しない青眼の究極竜のシークレット版が展示されていたりもする。

そう、コナミは当時の限定2枚などの希少カードも予備として今でも余分に保存しているのだ。その数は何枚なのかはわからないが少なくとも公式の発行枚数以上に間違いなくカードは存在しているのだ。

このようなコナミ内部の倉庫に保管されていたカードをコナミ社員が私利私欲のために一般に流出させたのか、もしくは印刷工場の社員が納品分とは別に予備を刷っておいて、それをオークションに流したのか、流出の経緯はこのどちらかだと推測できる・・・というかそれ以外ない。

古いモノに関しては、現在のような価格になるとは当時誰も想像していなかったと思うので、それほど持ち出しなどを厳密に監視していなかった可能性も高いが、近年のカードの高騰を見ると印刷工場の社員などにも、しっかりとした守秘義務と持ち出しには厳罰が下されている可能性が高いので、このような流出は近年に近づくにつれおこりづらくなっているのではと思われる。

1999年の東京ドーム大会の入賞カードにおいては2005年~2006年にかけてありえない程の数のオークション出品が相次ぎ、間違いなく内部関係者が私利私欲のためにオークションに流した形跡が確認できる。本来流出品とは後ろめたいものであるはずだが、近年ではそれなりに認知され、ショップなどでも普通に買取されショーケースに並び販売されている事も珍しくない。

東京ドーム大会 優勝者写真

出典: Vジャンプ2000年3月号 決闘者伝説in TOKYO DOME ゲーム部門 入賞者と賞品

本物は賞状や盾などが付属した物だけであり本物の価値は今後さらにあがっていく事が予想される。ただ、高額カードの購入を検討しているならば、こういったカード自体は本物だがある意味偽物でもある流出品などの存在を頭に入れておいたほうがいいだろう。

もちろん粗末な作りのオリカなども出回っているので、高額な限定カードを購入する際は十分に知識をつけてからでないと痛い目を見るかもしれない。

今回の記事はこのへんで そして次回の記事では、遊戯王 初期の超高額カードランキング 発行枚数と現在の価格推移を解説します。

  • この記事を書いた人

メタポch

99年~シンクロ登場辺りまで遊戯王OCGをプレイ。10年以上の時を経て、初期の遊戯王の面白さを布教・記録するためyoutube・サイトなどで情報発信中。

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